骨折予防を目指した積極的な骨粗鬆症診療 骨粗鬆症の病因と病態に関する新たな展開
慢性炎症
田中 良哉
1
1産業医科大学 医学部第1内科学講座
キーワード:
Diphosphonates
,
Steroids
,
炎症
,
関節リウマチ
,
骨吸収
,
骨粗鬆症
,
破骨細胞
,
T細胞
,
Denosumab
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Denosumab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Bone Resorption
,
Diphosphonates
,
Inflammation
,
Osteoclasts
,
Osteoporosis
,
Steroids
,
T-Lymphocytes
,
Osteoporotic Fractures
pp.653-656
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013155555
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
慢性炎症の遷延化は,サイトカインやプロスタグランジンの産生を介して,破骨細胞の分化誘導,骨芽細胞の分化抑制を生じ,骨代謝回転の不均衡による骨粗鬆化をもたらす.Th1やTh17は炎症性サイトカイン産生を介して破骨細胞を誘導し,TregはCTLA-4を発現して破骨細胞分化を抑制する.合成グルココルチコイドは,骨形成を阻害し,骨吸収を助長し,骨代謝異常,すなわちステロイド骨粗鬆症とそれに伴う脆弱性骨折を生ずる.骨吸収抑制薬であるビスホスホネートは,慢性炎症,ステロイド薬等により生じた骨粗鬆症や骨折の治療,予防・管理の中心である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013