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特集 わが国における脳・心血管疾患予防のための疫学研究
超高齢者・百寿者を対象としたコホート研究
Cohort Studies in Oldest Old and Centenarians
平田 匠
1
,
新井 康通
1
Takumi Hirata
1
,
Yasumichi Arai
1
1慶應義塾大学医学部百寿総合研究センター
1Center for Supercentenarian Medical Research, Keio University School of Medicine
pp.64-70
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205884
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はじめに
わが国は世界有数の長寿国であり,平均寿命は年々上昇の一途をたどっている.平成27年4月に総務省が公表した人口推計によると,平成26年10月1日現在におけるわが国の85歳以上の超高齢者人口は470万人を超え,百寿者数も6万人に達した.生活環境や医療の進歩に伴う平均寿命の延長は緩やかながら当面は続くと考えられ,今後も超高齢者・百寿者の人口増加が予想されている.現在のところ,中高年を対象とした心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の一次・二次予防に関しては,数多くの疫学研究や臨床研究によりその対策法が確立されているが,今後は超高齢期以降の年代を対象とした動脈硬化性疾患の予防策について確立していく必要があると考えられる.本稿ではまず,これまでの高齢者の動脈硬化危険因子に関する疫学研究の結果を概説し,さらに,私たちが行っている超高齢者・百寿者の研究結果と比較することにより,超高齢期以降の年代における動脈硬化性疾患の予防策について考えていきたい.
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