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Current Opinion
腹臥位療法に関わる最新の話題
Prone Position in Acute Respiratory Distress Syndrome:Implication of recent studies
丸川 征四郎
1,2,3
Seishiro Marukawa
1,2,3
1医療法人医誠会医誠会病院
2医療法人医誠会医誠会病院救急診療科
3Kinki University
1Iseikai Hospital
2Department of Emergency and Critical Care Medicine, Iseikai Hospital
3Kinki University
pp.1217-1222
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205866
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腹臥位療法に関する最近1年間の話題
[1]「腹臥位療法がARDSの転帰を改善する」ことは疑問視されてきた
重症ARDS患者を腹臥位にすると肺酸素化能が劇的に改善1,2)して,人工呼吸管理が低侵襲な換気条件で済むことや,早期であれば人工呼吸管理さえも回避できること3),人工呼吸に伴う肺損傷が防止されること4〜6)が報告されてきた.低酸素血症の改善についてはメタ解析でも確認されている7,8).死亡率が改善することもメタ解析では確認された8,9).しかし,10年以上にわたって行われてきた複数の大規模な無作為対照試験(RCT)による実証は,ことごとく不成功に終わった10〜13).このため,腹臥位療法には「死亡率を改善する根拠がない」として敬遠する集中治療施設も現れるなど,その信頼性は著しく低下するに至った.
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