特集 腹臥位は特別なことじゃない 導入と継続のための道しるべ
―なぜ,背臥位なのか?―腹臥位療法実践の壁を超える
大内 基史
1
1南横浜病院呼吸器外科
pp.882-885
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101086
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腹臥位治療(PPT)の現状
廃用症候群(disuse syndrome)はHirsch berg GG1)により定義され,安静臥床や不活動状態が続くなど体を使わないことにより起こるさまざまな障害であり,精神,循環,呼吸,嚥下,排尿排便,関節などその様態は多岐にわたる.
腹臥位治療(腹臥位療法,うつ伏せ療法/prone position therapy;以下PPTとする)は,こうした廃用症候群の改善を目的として始められた.1987年,福岡県大牟田市米の山病院老年科の故・中山壽比古氏が発案し,高齢者が抱える膝・股関節の拘縮の改善を目的として行なわれた実践は,1995年,故・並河正晃氏によって,3年間の厚生省長寿科学総合研究事業の一環として「低ADLの高齢者のねたきり廃用症候群を予防軽減・改善する治療法」として確立した.
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