フロントライン 2002 EBN
腹臥位における体圧と安楽について
渡邊 千登世
1
1聖路加国際病院
pp.556-560
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906088
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はじめに
仰臥位における褥瘡の好発部位が仙骨部であることは,周知のことである.当院における過去3年間の褥瘡発生調査においても,褥瘡を有する患者総数108名のうち,仙骨部に褥瘡が発生していた患者の割合は82%と圧倒的に多かった.褥瘡は圧迫による局所の皮膚の虚血性変化であり,腹臥位は仙骨部の圧迫を取り除くためには有効な体位と考えられる.
しかし,可動性,活動性が低下した患者にとって,腹臥位が安楽であるかどうか,また腹臥位での骨突出部の体圧はどれぐらいかというような,Evidenceとなりうる文献はみあたらなかった.唯一,Defloor1)が30度ファーラー位と90度側臥位,腹臥位などの体位による体圧を比較した調査で,30度ファーラー位と腹臥位がもっとも体圧が低いと報告していた.
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