Japanese
English
綜説
遺伝性疾患に伴う大動脈疾患
Genetic Aortic Diseases
森崎 隆幸
1
,
森崎 裕子
1
Takayuki Morisaki
1
,
Hiroko Morisaki
1
1国立循環器病研究センター研究所分子生物学部・臨床遺伝科
1Departments of Bioscience and Genetics, and Medical Genetics, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.967-972
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205805
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はじめに
大動脈疾患は,全体としてみると多因子疾患であり,高齢者では動脈硬化を病因とすることが多いが,一方,大動脈疾患患者では家族歴を認めることは稀ではなく,胸部,特に上行大動脈瘤ではおよそ20%に家族歴を認め,若年発症のこともある.腹部大動脈瘤についても10〜20%に家族内発症を認める.したがって,大動脈疾患の多くは非遺伝要因も関わる多因子疾患であるが,発症に遺伝要因の関与は少なくない.近年,マルファン症候群など動脈以外の特徴的な身体所見を伴う症候群性大動脈疾患について,病因遺伝子の解明が進んでいる.本稿では,若年発症あるいは遺伝性であり,病因遺伝子の解明された症候群性および非症候群性大動脈疾患につき,病態解明に関するこれまでの進歩,診断,治療につながる知見について述べる.
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