今月の表紙
大動脈弁輪拡張症に伴う大動脈解離
田中 道雄
1
,
常深 あきさ
1
,
倉田 盛人
1
,
伊藤 聡彦
2
,
渡邉 正純
2
,
中原 秀樹
2
,
石川 妙
3
,
手島 保
3
1東京都立広尾病院検査科
2東京都立広尾病院心臓血管外科
3東京都立広尾病院循環器科
pp.510
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103957
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【症例の概要】
46歳,男性.2年前の健診で,心電図異常・心雑音.事務仕事中,突然胸痛と呼吸苦が出現し,急性左心不全で救急入院.拡張期雑音,心電図でV4~V6,Ⅱ,Ⅲ,aVFのST低下,心エコーで上行大動脈高度拡大(径60mm),高度大動脈弁閉鎖不全を認め,内部にフラップ(flap:解離した内膜および中膜の一部)様組織がみられた.準救急的大動脈基部置換術中所見では,弁輪部内膜の全周性亀裂から解離が中枢側に進行し,双方の冠動脈口に及び,交連を含めた大動脈弁が脱落していた.弁付着部を含めて切除(Bentall手術)し,術後経過は順調.組織学的に中膜弾性線維は不規則に脱落し,囊胞状中膜変性が多数存在し,大動脈弁には粘液腫様変性を認めた.
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