Japanese
English
綜説
マルファン症候群と類縁疾患
Marfan Syndrome and Related Disorders
武田 憲文
1
,
藤田 大司
1
,
犬塚 亮
2
,
谷口 優樹
3
,
縄田 寛
4
,
山内 治雄
4
,
加藤 昌義
1
,
西村 敬史
1
,
永原 幸
5
,
中島 淳
6
,
小野 稔
4
,
小室 一成
1
Norifumi Takeda
1
,
Daishi Fujita
1
,
Ryo Inuzuka
2
,
Yuki Taniguchi
3
,
Kan Nawata
4
,
Haruo Yamauchi
4
,
Masayoshi Kato
1
,
Hiroshi Nishimura
1
,
Miyuki Nagahara
5
,
Jun Nakajima
6
,
Minoru Ono
4
,
Issei Komuro
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
2東京大学医学部附属病院小児科
3東京大学医学部附属病院整形外科
4東京大学医学部附属病院心臓外科
5東京大学医学部附属病院眼科
6東京大学医学部附属病院呼吸器外科
1Department of Cardiovascular Medicine, The University of Tokyo Hospital
2Department of Pediatrics, The University of Tokyo Hospital
3Department of Orthopedic Surgery, The University of Tokyo Hospital
4Department of Cardiothoracic Surgery, The University of Tokyo Hospital
5Department of Ophthalmology, The University of Tokyo Hospital
6Department of Thoracic Surgery, The University of Tokyo Hospital
pp.561-568
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205724
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はじめに
マルファン症候群は,全身の結合組織の異常を起因として,大動脈,骨格,眼,肺などの全身の様々な系統に特徴的な症状・徴候を来す症候群である.特に大動脈基部拡大(瘤)と解離は,生命予後に関連する重要な表現型である.発症率は約5,000人に1人で,人種差や性差はない.原因遺伝子は,細胞外基質を構成する蛋白質であるフィブリリン1をコードするFBN1遺伝子の異常に伴うものが多く(約6〜7割),その他にトランスフォーミング増殖因子-β(TGFβ)のシグナル伝達系に関わる遺伝子の異常が知られており,約3/4の症例が家族性と考えられている.現在は,原因遺伝子や表現型による鑑別や亜型分類が普及し始めており,さらにその分子病態理解に基づく予防や治療方法も検討されている.本稿では,マルファン症候群とその類縁疾患であるロイス・ディーツ症候群について,最近の知見を含めて紹介する.
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