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特集 呼吸器疾患治療の標的分子
COPD
COPD
金子 猛
1
Takeshi Kaneko
1
1横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学
1Department of Pulmonology, Yokohama City University Graduate School of Medicine
pp.298-303
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205673
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はじめに
chronic obstructive pulmonary disease(COPD)は,タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで気道や肺に炎症が惹起され,末梢気道病変と気腫性病変を来すことにより閉塞性換気障害が生じる疾患である.現在,COPDの治療は気管支拡張療法が主体となっており,病態の進行や増悪の抑制,さらには予後の改善において十分な治療効果が得られていない.近年,COPDの病態の本質である炎症は,増悪の起こしやすさや病状の進行と密接に関与することが明らかにされてきており,COPDの病態を制御するためには,炎症をコントロールする治療戦略が重要となる1〜3).病態の解明が進むにつれて,COPDの病態制御に重要と考えられる様々な標的分子が注目されるようになった4,5).本稿では,こうした標的分子のうち,既に臨床試験に至っているものから未だ基礎研究段階のものまで,将来COPD治療戦略として期待される標的分子について概説する.
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