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特集 内科診療にガイドラインを生かす
呼吸器疾患
COPD
COPD
一ノ瀬 正和
1
1東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学
pp.118-123
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107090
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は従来,慢性気管支炎,肺気腫と診断されてきた疾患の総称である.タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり,呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す.気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変がさまざまな割合で複合的に作用することにより起こり,通常は進行性である.日本を含め世界的に患者数の増加が指摘されているが,過少診断,過少治療が問題とされている.COPDの診断・治療に関する国際的なドキュメントとして,global initiative for chronic obstructive lung disease(GOLD)がある1).このドキュメントはCOPDに関する最新の論文を網羅しているが,治療に関しては国情の異なるすべての地域を対象としており医療資源の入手状況によっては実情と乖離する場合もある.本邦では日本呼吸器学会が「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン,第4版」を2013年4月に刊行している2).本ガイドラインは呼吸器専門医にとっても役立つよう,疾患概念の理解の変遷から,治療まで詳細に記されている.エビデンスレベルに関しては,編集委員会の推奨レベルに加え,Mindsに対応した記載もなされている.
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