びまん性肺疾患 病態に基づいた最新治療
特発性間質性肺炎の分類と診断 特発性肺線維症の急性増悪の診断と治療
谷口 博之
1
1公立陶生病院 呼吸器・アレルギー内科
キーワード:
Ciclosporin
,
Methylprednisolone
,
吸着解毒
,
多剤併用療法
,
肺線維症
,
Low-Molecular-Weight Heparin
,
病勢悪化
,
肺炎-間質性
,
非侵襲的陽圧呼吸
,
Sivelestat
,
胸部CT
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
Heparin, Low-Molecular-Weight
,
Methylprednisolone
,
Pulmonary Fibrosis
,
Sorption Detoxification
,
Cyclosporine
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Disease Progression
,
Sivelestat
pp.229-235
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007121170
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特発性肺線維症(IPF)の急性増悪は、わが国で提唱された概念であるが、近年、国際的にもその臨床的重要性が認識されつつある。病理学的には通常型間質性肺炎(UIP)所見に加え、びまん性肺胞傷害(DAD)所見が認められる。外科的肺生検(SLB)の施行は困難な場合が多いため、臨床診断基準が作成されている。IPFの急性増悪とはIPFの経過中に、1ヵ月以内の経過で、1)呼吸困難の増強、2)HRCT所見で蜂巣肺所見+新たに生じたすりガラス陰影・浸潤影、3)動脈血酸素分圧の有意な低下(同一条件下でPaO2 10mmHg以上)のすべてがみられる場合を、「急性増悪」とする。ただし、明らかな肺感染症、気胸、悪性腫瘍、肺塞栓や心不全を除外する。参考所見としては、1)CRP,LDHの上昇、2)KL-6,SP-A,SP-Dなどの上昇、がある。予後はきわめて不良であるが、薬物療法としてステロイドおよび免疫抑制薬、抗凝固薬、抗線維化薬、好中球エラスターゼ阻害薬などが試みられている。呼吸管理では非侵襲的陽圧換気法(NPPV)が注目されている。
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