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特集 IPF治療の最新の話題
IPF治療の歴史
The History of IPF Treatment
杉山 幸比古
1
Yukihiko Sugiyama
1
1自治医科大学呼吸器内科
1Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, Jichi Medical University
pp.109-116
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205630
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はじめに
特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)は原因不明の間質性肺炎のうちでも,最も患者数が多く,また,最も予後不良である極めて重要な疾患である.これまで,IPFの予後を明らかに改善させる治療法はないとされてきたが,近年,抗線維化薬の開発によりこういった状況に変化が生じ始めている.本稿ではこれまでのIPF治療の歴史を述べることになるが,その前に,IPFという疾患が今日のような概念にまとまってきたのは最近のことであり,この経過・歴史についてまず触れておく必要があろう.また,治療薬は疾患の病因論をふまえて開発され,そして実際に患者に投与される訳であり,病因論の変遷についても触れる必要があろう.したがってまず,分類の歴史,病因論の変遷について触れた後,実際の治療の歴史について述べることとしたい.
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