これすぽんでんす
熊切先生の見解への回答
岡本 武
1
,
安齋 眞一
1
,
木村 鉄宣
1
1札幌皮膚病理研究所
pp.749-750
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100985
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われわれの論文に対し熊切先生に関心を持っていただけたこと,そして,的確な指摘をしていただいたことに深く感謝いたします.
まず,はじめに,WalshやAckermanが報告したInfundibulocystic basal cell carcinomaと診断するために必要な所見を整理してみます.
本症例においては,部分的に(腫瘍胞巣辺縁において)毛芽細胞類似の細胞が索状および篩状に増殖し,一部に(毛包漏斗部に繋がる近位部に)毛芽細胞とは違う,有棘細胞の細胞質を持つ細胞が増殖しています.後者の部位でも腫瘍と間質の間にムチンが沈着し,fibroepithelial unitを形成していませんでした.腫瘍の全体構築は境界明瞭ですが,毛球,毛乳頭に類似する所見はなく毛包漏斗部類似の嚢腫があることより,この病変は上部毛包分化の所見をもっています.このような特徴をもつ上皮性新生物をWalshとAckermanはinfundibulocystic basal cell carcinomaと紹介しているので,私たちはこの腫瘍をInfundibulocystic basal cell carcinomaと診断しました.
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