Japanese
English
特集 血管作動物質と肺血管・肺ガス交換
エンドセリンと肺循環・肺ガス交換
The Role of Endothelin in Pulmonary Circulation and Gas-exchange
市川 敬太
1
,
天羽 敬祐
1
Keita Ichikawa
1
,
Keisuke Amaha
1
1東京医科歯科大学医学部麻酔蘇生学
1Department of Anesthesiology and Critical Care Medicine, Tokyo Medical and Dental University, School of Medicine
pp.35-42
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900406
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1980年Furchgottらは,acetylcholineによる血管拡張に,血管内皮細胞が重要な役割を果たしていることを初めて報告した1).彼らはnorepinephrineで収縮させたラットの大動脈はacetylcholineで拡張するが,内皮細胞を除去するとこの拡張は見られなくなること,cyclooxygenase阻害薬であるindomethacin投与でもこの拡張を抑制できないことから,この反応はprostaglandine以外の血管拡張物質が血管内皮細胞から放出されるために生じるものと考え,この物質を内皮依存性血管拡張物質(endothelium-derived relaxing factor,EDRF)と呼んだ.
その後,血管内皮細胞を除去すると肺の低酸素性血管収縮が減弱すること2),イヌの冠状動脈の低酸素性血管収縮反応も血管内皮細胞除去により減弱し,この反応は各種の酵素阻害薬や受容体拮抗薬で減弱しないこと3)が相次いで報告され,内皮細胞由来の血管作動物質として,EDRFのみならずendothelium-derivedcontracting factor(EDCF)の存在も示唆されるようになった.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.