今月の主題 内科医に必要な救急治療
救急治療の実際
心筋梗塞急性期
深見 健一
1
,
平盛 勝彦
2
Ken-ichi Fukami
1
,
Katsuhiko Hiramori
2
1国立循環器病センター病院・内科心臓部門
2国立循環器病センター病院・内科系心臓集中治療科
pp.938-940
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218303
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急性心筋梗塞症(AMI)は急性期死亡率のきわめて高い重篤な疾患である.死亡の大半は発症後数時間以内の早期に起こり,多くは心室細動(Vf)などの重症不整脈による1,2).うっ血性心不全,心原性ショック,心臓破裂なども重大な死因である.これらの合併症の発現は,梗塞巣の大きさ,発症後の心負荷などにより左右される1).したがってAMI発症時の救急治療の目的は不整脈死を予防し,梗塞範囲をできるだけ小にとどめ,合併症の発現を防止することにあるといえる.急性期治療の適否は死命を制するのみならず,慢性期の心機能,長期予後をも左右する大きな因子となることから,迅速かつ的確な判断と処置が必要となる.
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