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講座
急性心筋梗塞と梗塞前狭心症の関係—急死剖検2症例の冠状動脈連続切片による検討から
Relationship between myocardial infarction and preinfarction angina--A histopathological study of coronary arteries in two sudden death cases employing serial section
堀江 俊伸
1
,
関口 守衛
1
,
沼尾 嘉時
1
,
広沢 弘七郎
1
Toshinobu Horie
1
,
Morie Sekiguchi
1
,
Yoshitoki Numao
1
,
Koshichiro Hirosawa
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
1Department of Internal Medicine,The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.791-797
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203098
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急性心筋梗塞はどのようにして発症し,さらに梗塞前狭心症とはどういう関係にあるかということは,臨床上非常に興味ある問題である。しかし急性心筋梗塞発症初期像を明確にとらえることは困難であり,その実体は必ずしも明らかにされているとは言えないようである。著者らはすでに臨床上急性心筋梗塞と診断され,剖検しえた108例を検討し,急性心筋梗塞発症後5,6時間で死亡した症例においても,すでに新鮮な閉塞性血栓が心筋梗塞形成に対応一致する冠状動脈の近位部に形成されていたことを報告した1,2)。その結果,急性心筋梗塞発症初期像を明確にするためには,さらに発症後急死した症例を検討することが必要であると考えた。そこで心筋梗塞発症後まもなく死亡したと考えられる2症例について,臨床所見と対比しながら剖検心について連続切片を用いて冠状動脈組織病変を検討し報告した1,3)。この2症例は,急性心筋梗塞発症初期像ないし梗塞前狭心症について考える上で,非常に貴重な症例と考えられるので,症例を呈示しながら心筋梗塞または梗塞前狭心症の直接原因と考えられる冠状動脈病変について解説してみたい。
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