Japanese
English
綜説
免疫不全と肺疾患
Immunodeficiency and pulmonary diseases
斎藤 厚
1
Atsushi Saito
1
1琉球大学医学部第一内科
1The 1st Departmentof Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of the Ryukyus
pp.1274-1280
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205374
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はじめに
肺は全身の鏡と言われる。多くの免疫異常の場合,種種の肺病変が惹起される。
免疫不全とは,本来生体が持っているべき免疫機能が低下あるいは欠損している状態を指すが,免疫不全に共通した肺病変は頻度の上からも,種々の呼吸器感染症の併発が最も多いものである。
免疫不全症は大別して,細胞性,体液性および複合免疫不全症の3つに分けられるが,それぞれ原発性(一次性),続発性(二次性)あるいは先天性,後天性に分けられる。また,食細胞機能不全や補体系の機能低下も広義の免疫不全に含まれtている1,2)。
本稿ではこれらについて,呼吸器系との関連を総説することであるが,原発性のものはほとんど小児科領域のものであるので,ここでは主として二次性免疫不全症における肺病変および最近注目されているHIVあるいはHTLV−1感染とびまん性汎細気管支炎(DPB),IIP病因論の提唱などの話題を中心に紹介する。
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