Japanese
English
綜説
免疫グロブリンと肺疾患
The role of immunoglobulins in pulmonary diseases
飯塚 邦彦
1
,
小林 節雄
1
,
中澤 次夫
2
Kunihiko Iizuka
1
,
Setsuo Kobayashi
1
,
Tsugio Nakazawa
2
1群馬大学医学部第一内科
2群馬大学医療短期大学部
1First Department of Internal Medicine, Gunma University School of Medicine
2College of Medical Care and Technology Gunma University
pp.294-307
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900122
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はじめに
肺呼吸器系は皮膚や消化器系と同様に外界からの病原微生物,異物などの外来性抗原に直接接するため,一義的に局所の免疫応答が速やかにおこることは生体防御の面から合目的である。しかし,迅速かつ強力な免疫反応は結果として生体に不利な状態を生ずるアレルギー反応も惹起しやすい。気管支喘息(bronchial asthma;BA),気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmo-nary aspergollosis;ABPA),過敏性肺臓炎(hypersen-sitivity pneumonitis;HP),珪肺症などはこの範に属する。
一方,肺は血液循環の極めて豊富な臓器であり全身の系統免疫の応答の結果として二次的な反応をおこす場を与えている。免疫反応のひとつの帰着点としての捕らえ方である。膠原病の肺病変がその代表である1)(図1)。
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