今月の主題 炎症性肺疾患へのアプローチ
病態と概念—診断,治療との関連から
免疫異常による肺疾患
岡田 純
1
1北里大学医学部・内科
pp.198-201
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221510
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肺疾患に免疫が関与したものは少なくない.その中には,免疫異常が肺を主座として起こるものと,全身性疾患の一部分症として肺に免疫異常による病変が生じるものがある.近年,免疫学の進歩や,気管支洗浄(BAL)などの検査の進歩に伴い,免疫異常が関与した肺疾患においても病因・病態形成が明らかにされつつある.
免疫反応はCoombs & GellによりI型からIV型に分類されている.本稿では,免疫異常を,狭義の"アレルギー反応"であるI型を除いたII型からIV型の免疫反応とし,これらの免疫反応に基づく肺疾患を中心に疾患概念と病態生理について述べる(表1).すなわち,II型は肺の抗原に対す自己抗体による疾患,III型は免疫複合物が原因と考えられる血管炎などの疾患,IV型は細胞性免疫によるものと考えられている肉芽腫性変化を伴う疾患である.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.