今月の主題 肺
検査と疾患—その動きと考え方・119
免疫不全症と肺感染症
螺良 英郎
1
,
蔦宗 俊明
2
Eiro TSUBURA
1
,
Toshiaki TSUTAMUNE
2
1国立療養所刀根山病院
2国立療養所刀根山病院内科
pp.163-170
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913253
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免疫不全症とは正常な免疫機構が障害され低下,欠損をきたした状態を言い,先天性免疫不全症と後天性免疫不全症に分類される.すなわち多様な疾患と病因から成る症候群である.
原発性免疫不全症は表1に示される疾患があり,多くの場合原因不明で先天性素因,遺伝によるものと考えられる.多くは幼小児期に発病し,別名易感染症候群とよばれるように易感染性を主症状とし大部分は難治性,反復性の呼吸器感染症が特徴であり死亡することが多い.一方,続発性免疫不全症は明らかな基礎疾患があるか,一度でき上がった免疫系が免疫系と無関係の疾患または薬剤などの原因により二次的に免疫能が低下した状態を言い種々の原因で起こる.本稿では主に続発性免疫不全症における肺感染症について述べる.
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