Japanese
English
特集 酸素療法の適応基準
循環機能からみた基準
A clinical indication of oxygen administration on patients with cardiovascular diseases
川越 康博
1
,
木全 心一
1
,
広沢 弘七郎
1
,
金野 公郎
2
Yasuhiro Kawagoe
1
,
Shin-ichi Kimata
1
,
Kōshichirō Hirosawa
1
,
Kimio Konno
2
1東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所
2東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所第1内科
1The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
2The 1ts Department of Internal Medicine, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.485-492
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205249
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はじめに
肺は解剖学的には心の両側にあるが,循環動態からみると右心と左心の間にあり,肺循環系が両者の接点となっている。肺循環動態異常の主なものは心不全や肺高血圧に代表され,多くの場合酸素療法の適応となる。しかるに循環動態パラメーターの内で,直接酸素療法の内容を的確に決定できるものはない。
かつて笹本や国枝らにより提唱された"心性肺"1),すなわち心疾患や循環動態異常により招来される肺機能障害も,年々明確化されつつあり,概念として確立されつつある2〜4)。
ここではまず循環動態異常(左心不全と肺高血圧症)の治療における酸素療法の意義を述べ,次に肺循環動態異常とそれによって惹起される呼吸機能障害を述べて,最後に循環病態と呼吸機能障害の複合体としての心肺機能の総合評価における酸素療法の内容について述べてみる。
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