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講座
GIK(Glucose-Insulin-Potassium)療法
GIK (Glucose-Insulin-Potassium) therapy
木全 心一
1
,
広沢 弘七郎
1
Shin-ichi Kimata
1
,
Koshichiro Hirosawa
1
1東京女子医科大学心臓血圧研究所循環器内科
1The Heart Institute Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.499-506
発行日 1977年6月15日
Published Date 1977/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203060
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GIK療法は歴史の古い療法であり,臨床効果の判定については議論を残したまま,用いられて来ていた。近年,改めてその有効性が多くの論文でとりあげられるようになったので1),GIK療法の基礎としている理論,実験結果を紹介したのち,臨床応用について言及したいと思う。
GIK療法を生んだ基礎をたどって行くと,糖質などの代謝からエネルギー産生までがダイナミックな代謝経路としてとらえられ,電気生理も細胞レベルにまで進み,更に細胞膜を境にみられるイオンの動きの研究で,電気生理学と生化学が接点をみつけ,深く結びついて行った時代の流れにぶつかる。この学問の発展を基礎におきながら,Sodi-PallaresなどがGIK療法を生み出したと言える2〜4)。GIK療法が対象としているのは,急性心筋梗塞の広がりを狭くし,心室性の不整脈の発生を防止することの他に,治療困難な心不全の治療,開心術後の患者管理などに広く用いられている。GIK療法は,障害細胞の代謝,活動電位の改善をもたらすので,"repolarizing"treatmentとも呼ばれている。
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