Bedside Teaching
Anaerobic Threshold
谷口 興一
1
Kōichi Taniguchi
1
1東京医科歯科大学第2内科
1The 2nd Department of Medicine, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
pp.157-165
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205196
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Anaerobic threshold(AT)は,従来,主として運動生理学の分野で用いられ,持久力,トレーニング効果,運動能力などの客観的な評価に活用されてきた。近年,運動能力や呼吸循環の総合的な機能を客観的に評価できるという立場から,循環器病学の分野においても注目されるようになり,すでに若干の報告が散見される。しかし,これらの論文をみると,ATの概念や定義に対して必ずしも一定の見解が認められないわけではない。ATの概念や定義は,一般にWasserman1)の論文によるとみなされるが,この定義に対しても異論がないわけではなく,測定法や臨床的意義などに多くの問題点を包含している。そこで,ATの基本的概念と定義,測定法,問題点,臨床的意義などをできるかぎり浮き彫りにし,臨床応用の有用性と限界についてまとめてみる。なお,ATを嫌気性代謝閾値と訳しているものもあるが,以下に述べる各種の理由から妥当ではないので,そのままATを用いることにする。
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