Japanese
English
特集 呼吸循環領域の運動負荷
Anaerobic Thresholdの意義
The Significance of Anaerobic Threshold
安達 仁
1
,
谷口 興一
1
Hitoshi Adachi
1
,
Kohichi Taniguchi
1
1群馬県立循環器病センター循環器内科
1Gunma Prefectural Cardiovascular Center
pp.353-358
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901229
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はじめに
運動はある強度以上になると長時間続けることができなくなり,無理に続けると,脈拍・血圧が著しく上昇して心・血管系への負担が増大する.そして人によっては心事故の発生など危険な状態に陥る.比較的安全に長時間持続可能な最大の運動レベルがAT(anaerobic threshold)レベルの運動であり,ATは,有酸素的な代謝に加えて嫌気的な代謝が始まる点の酸素消費量(VO2)と理解されている.ATレベルまでは心疾患患者でも比較的安全に運動を行え,かつ,ATは被検者の努力に無関係な客観的な心肺機能の指標であるため,臨床上有用な指標として現在普及している.本稿では,ATの意味,臨床的な意義について概説する.
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