Japanese
English
特集 心筋の肥大・拡張
肥大心の心機能
Cardiac function of hypertrophied heart
楠川 禮造
1
Reizō Kusukawa
1
1山口大学医学部第二内科
1The 2nd Department of Internal Medicine, Yamaguchi University School of Medicine
pp.743-751
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205088
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はじめに
心筋肥大は成長あるいは心臓に対する色々なストレスに対する適応であると考えられる。成長に伴う肥大は生理的肥大であるがその他の肥大については生理的肥大であるか,病的肥大であるか,必ずしもその区別は明らかでない場合が多い。
生理的肥大と病的肥大の定義については一定の見解はなく,発表者によって異なるところである5,17)。肥大した心臓の収縮性が正常の場合,あるいは摘出心筋が正常の収縮性を保っている場合を生理的とし,さらにミオシンのATPase活性,または心筋の収縮速度のいずれかが正常または正常以上である場合に生理的としている場合がある17)。しかし心機能は収縮期だけではなく拡張期についても検討をする必要があり,生理的肥大とは収縮期特性のみならず拡張期特性も正常であるとの考え方もある17)。
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