Japanese
English
講座
肥大心
Hypertrophied Heart
藤本 淳
1
,
城 忠文
1
Kiyoshi Fujimoto
1
,
Tadafumi Joh
1
1大阪府立成人病センター内科
1Department of Internal Medicine, Center for Adult Diseases, Osaka
pp.775-782
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202185
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はじめに
高血圧症,弁膜疾患,先天性心疾患等の日常診療時,肥大心によく遭遇するが,この肥大心には心不全の準備状態としての性格と,本質的な代償機転としての性格と相反する二面を有する所に,種々の問題を生じる原因があると同時に,我々に非常な興味を抱かせる所である。
近年,電子顕微鏡,X線回折法により骨格筋の収縮機構が,かなりの点まで解明されてきた。この結果を心筋に適用して心筋の収縮機構を理解し,これに基づいた心臓機能というものが取扱われるようになった。一方で生化学方面の技術革新により,心筋細胞の生化学的特性の解明も進められてきた。また,この両者の,機械—化学連関(mechano-chemical coupling)としての結びつきも,心仕事の面で重要な意味を持つことになる1)。そこでこれらの知見を加えて,肥大心をもう一度再考してみたいと思う。
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