Japanese
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特集 心不全をめぐる新しい展開
心不全,肥大心のレセプターの変化
Changes in β-adrenergic receptor density in congestive heart failure and myocardial hypertrophy
小川 宏一
1
Kouichi Ogawa
1
1名古屋大学第二内科
1The 2nd Department of Internal Medicine, Nagoya University, School of Medicine
pp.251-254
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205019
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はじめに
心不全は心臓のポンプ作用の障害により組織に必要な血液が充分に供給できない状態であると定義される。心不全の原因として心筋の収縮性の低下および後負荷の過度の増大が最もしばしばみられる要因である。
一方,心不全の代償機序として,いくつかの代償機序が作動することが知られている。第一にFrank-Starling法則による心臓の前負荷の増大による心拍出量の増大であり,第二に交感神経末端および副腎髄質から放出されるcatecholamineによる心筋収縮力と心拍数の増強であり,第三に心肥大による慢性適応である。また,最近発見されたatrial natriuretic peptides (ANP)も心不全の代償機序として大きな役割を果たしていることがはっきりしてきた1)。
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