Japanese
English
Bedside Teaching
長期酸素療法の適用
Indications of chromic oxygen therapy
澤田 雅光
1
,
荒木 良彦
1
,
小幡 泰憲
1
,
松下 晴彦
1
,
覚野 正平
1
,
益田 耕吉
1
Masateru Sawada
1
,
Yoshihiko Araki
1
,
Yasunori Obata
1
,
Haruhiko Mastusita
1
,
Syouhei Kakuno
1
,
Kousachi Masuda
1
1大阪府立羽曳野病院第三内科
1Third Department of Internal Medicine, Osaka Prefectural Habikino Hospital
pp.617-622
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205072
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酸素吸入の究極の目的は,critical levelに達した組織ハイポキシアを改善し,臓器の機能不全や死を回避することにある。混合静脈血酸素分圧(PVO2)は,tissue oxyganationをトータルに表現する指標としてその信頼性は高く,35 Torrがaerobic metabolismを維持しえるcritical levelとされている。これを基準にMit—hoefferら1)は表1に示した酸素療法の適応基準を提唱した。現在わが国で実施されている在宅酸素療法の適応基準2)(表2)も,ほぼこれに一致する。
一方慢性肺疾患では,肺循環障害に起因した肺性心は予後支配因子として重要であり,肺性心の存在を重視する適応基準も多い。表2の基準でも,肺性心を伴う場合にはPaO2 60 Torr以下を酸素療法の適応とした。しかし現実には、酸素療法を含めたさまざまの治療のもとでも肺性心患者の予後はきわめて悪い(図1)3)。したがって予防こそ最善の対策であるとするのが我々の持論である。また組織への酸素供給は,
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