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Current Opinion
短期(労作時)および長期在宅酸素療法
Short/Exercise and Long Term Oxygen Therapy
渡邉 秀裕
1
Hidehiro Watanabe
1
1町田市民病院呼吸器科
1Division of Respiratory Medicine, Machida Municipal Hospital
pp.95-100
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101190
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短期(労作時)および長期在宅酸素療法をめぐる最近1年間の話題
本邦では1985年に在宅酸素療法(home oxygen therapy;HOT)が慢性呼吸不全に対して社会保険の適用となった.HOTと呼ばれ広く普及し,現在では約12万人が治療を受け,毎年約5,000人が新たにHOTを受けている.この慢性呼吸不全でのHOT導入の疾患の内訳は,慢性閉塞性肺疾患(COPD:肺気腫,慢性気管支炎など)40%,肺結核後遺症18%,間質性肺炎12%,肺癌12%,塵肺3%,心疾患2%程度であり,COPDが主要な疾患となっている.本邦でのHOTのhomeは在宅という意味と,持続的な酸素供給という意味で理解されている.この点,米国では長期酸素療法(long term oxygen therapy;LTOT)と呼ばれ約80万人が加療を受けている.医療費は1.8億ドル(約200億円)とされ,医療経済に及ぼす影響も無視できなくなってきている.2008年にNational Emphysema Treatment Trial(NETT)1)がLTOTの適応,効果,予後などについて報告を行った.
本稿では,このNETT報告を中心にCOPDに対するLTOT(HOT)の背景をたどりながら最近の1年間の話題に言及してみたい.
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