Japanese
English
Bedside Teaching
弁逸脱の診断—僧帽弁逸脱について
Diagnosis of the mitral valve prolapse
赤土 正洋
1
,
吉川 純一
1
Masahiro Syakudo
1
,
Junichi Yoshikawa
1
1神戸市立中央市民病院循環器内科
1Department of Cardiology, Kobe General Hospital
pp.623-630
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205073
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弁逸脱のなかで臨床的に最も重要なのは僧帽弁逸脱(mitral valve prolapse;MVP)であり,本稿では僧帽弁逸脱症候群の非侵襲的診断法について述べることにする。
僧帽弁逸脱とは,僧帽弁が収縮期に左房側へ逸脱する状態の総称であるが,その原因はさまざまである。僧帽弁の逸脱は,僧帽弁尖,腱索,乳頭筋などのいわゆる僧帽弁装置の各構成要素の異常によって生じると考えられている。特発性僧帽弁逸脱症候群とは僧帽弁の逸脱を基盤として生じる一連の疾患群であり,他に認むべき疾患の無いものを言う。本症候群の原因としては,僧帽弁装置の結合織変化が重視されている。さらにこのような結合織変化が,特発性僧帽弁逸脱症候群例においては高頻度に三尖弁にも認められ,頻度は低いが半月弁にも認められると報告されている。このような特発性僧帽弁逸脱症候群以外に,明らかな心疾患を有し,弁逸脱がその二次的現象にすぎない続発性逸脱は,別個に扱われるべきである。
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