Japanese
English
解説
呼吸不全における長期酸素吸入と予後
Effect of Long-Term Oxygen Inhalation on Prognosis in Patient with Respiratory Insufficiency
山本 真
1
,
宮本 顕二
1
,
川上 義和
1
Makoto Yamamoto
1
,
Kenji Miyamoto
1
,
Yosikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1Department of First Internal Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.329-334
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900646
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はじめに
呼吸不全は低酸素血症を呈する症候群であり,厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班が提唱した診断基準;「空気吸入時の動脈血ガス分析でPaO2が60Torr以下またはそれに相当する呼吸障害を呈する異常状態」が広く用いられている1).本症候群の治療の根幹はいうまでもなく酸素吸入である.
呼吸不全患者に対する酸素吸入の効用は古くから報告されてきた.1960年代には短期間の吸入で臨床症状の改善,運動耐容能の改善,二次性多血症の改善,肺血管抵抗の減少が2,3),1970年代には精神神経症状である抑うつの改善や臨床的肺性心の軽減,生活の質(Quality of Life)の向上が報告されている4,5).さらに予後に関して,1980年にNOTTグループ6),1981年にMRCグループ7)が長期酸素療法の効用を明らかにした.
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