Bedside Teaching
Post-hypercapnic alkalosis
楠原 範之
1
,
大塚 洋久
1
Noriyuki Kusuhara
1
,
Hirohisa Ōtsuka
1
1北里大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kitasato University
pp.147-151
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205003
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Post-hypercapnic alkalosisとは
Post-hypercapnic Alkalosisとは,慢性呼吸性アシドーシスの治療中に認められるアルカリ血症である。腎性代償のためにHCO3−が高値を示している患者のPaCO2を人工呼吸により急激に低下させるとpHが著しく上昇することがある。呼吸性アシドーシスの急性期におけるアルカリ化剤(メイロン,THAM等)の過剰投与,肺性心に対するサイアザイド系利尿剤の投与は,この傾向をきらに助長する。
1965年のad-Hoc-Committeeは,酸塩基調節の用語について生理的過程や状態を示す言葉と検査データを示す言葉を明確に区別するよう定めており,これに厳密に従うならばこの病態はむしろpost-hypercapnic alkalemiaと表現すべきである。しかし,臨床的にしばしば観察される現象であり,かつ背景にある複数の要因の影響を分離評価できないことから最近では,単一の生理過程と同一視されるようになりpost-hypercapnic alkalosisまたは,post-hypercapnic metabolic alkalosisと表現されることが多くなってきた。
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