Japanese
English
Bedside Teaching
体外式限外濾過法による難治性心不全症例の治療
Treatment of intractable heart failure by extracorporeal ultrafiltration method
友田 春夫
1
,
井出 満
1
Haruo Tomoda
1
,
Michiru Ide
1
1東海大学内科
1Department of Cardiology, Tokai University
pp.153-159
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205004
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重篤な心不全症例に対しては,ジギタリス,利尿剤を始めカテコーラミン,血管拡張剤が用いられ効果を挙げていることは周知の通りである1)。しかし,一方,その基礎疾患の如何を問わず,在来治療法にては如何にもコントロール不可能で,特にうっ血,間質浮腫所見およびこれに基づく重要諸臓器機能障害により,死に至る症例も経験される。かかる全身溢水状態を伴う難治性心不全症例に対し,従来腎不全透析症例に対する除水目的として開発され,臨床応用されてきた体外式限外濾過法2,3)を応用し有効であったとする報告が,1970年代の後半から散発的に見られているが4〜7),さらにごく最近になり,まとまった症例数についての報告も見られるに至っている8,9)。
体外式限外濾過法は小林ら2),Silversteinら3)により1970年代前半に紹介された方法で,要するに人工透析用の透析膜を用い,透析液を用いず大気開放としこの部に陰圧を加えるか,血液灌流側に陽圧を加えるかして,限外濾過による除水をはかる方法である。この方法では通常の透析法の場合と異なり血圧の低下が起こりにくく10),静脈から採血静脈へ返血する方法を用いれば循環系に対する負荷が僅少で,心不全例への応用が可能となっている。
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