Japanese
English
解説
新しい産業用ガスと毒性
Industrial gases and their toxicity
林 芳弘
1
,
太田 保世
1
Yoshihiro Hayashi
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部第二内科
1The Second Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tokai University
pp.1047-1052
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204938
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
産業の発展にともない,現在我々の身の回りには,種種様々なガスが存在する。必然的に,種々のガス中毒事故も起こり得る状況にあり,産業医に限らず,様々なガス中毒患者に遭遇したことのある医師も少なくないはずである。そのため,臨床医にとっても,ある程度のガスに対する知識,ことにその毒性や,治療法についての知識を要求されることがあると思われる。紙面の都合上,本稿に取り上げたガスだけでは,種類の面でも,また内容の面でもはなはだ不十分であるとは思うが,緊急を要するガス中毒患者の処置に際し,少しでも役立てば幸いである。そのような意味合いからも,本稿のタイトルに含まれている"新しい"という言葉にはあまりこだわらず,表に示すようにclassicalなガスも含めて記載した。
なお,以下の各項目中に記載した"TLVs"は,ACGIH (American Conference of Governmental Indus—trial Hygienists)で定められたもので"Threshold Limit Values for Chemical Substances and Physical Agents in the Workroom Environment"の略号である。TLVsは,1日8時間,週40時間を基準労働時間として,この時間内で暴露しても労働者の健康を害することのないガス濃度の上限を示している。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.