Japanese
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特集 呼吸機能検査体系化への提案
血液ガス・データの評価
Some Important Factors in Assessing Blood Gas Data
太田 保世
1
Yasuyo Ohta
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.7-15
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202451
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「体系」化の原義によって本稿の命題について論ずるためには,当然,方法論に関する統一的見解あるいは約束が必要となる。ついで,えられたデータの解析には,生体現象のさまざまな情報と総合的に連絡された基準,いってみれば標準値の設定が必要となる。さらに比較検討されたデータが,診断および治療とどのように結びつけられるかという過程を経て,血液ガス・データの評価の系が完成される訳である。
それらの過程と,現状の実践的な問題点とをつき合わせてみると,予想外に複雑な問題が血液ガス・データの評価を,必ずしも単純なものでは無くしているのである。1例をあげると,血液CO2分圧の測定には,現在最も普及していると考えられるCO2電極法のほかに,いわゆるAstrup micro-methodや,CO2含量,pHなどからnomogramあるいは式からCO2分圧を算出する方法などがあり,それぞれの方法が,同一の検体に対して,異なる数値を与えうる可能性があると同時に,生理学的な意義の差すら存在する訳である1)。
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