特集 衛生害虫駆除
新しい殺虫剤とその毒性
上田 喜一
1
1東京歯科大学衛生学教室
pp.382-388
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202846
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新しい防疫用殺虫剤は,既に農薬として開発されたものの中から選ばれることが多い。その際農薬として広汎な殺虫スペクトルを有し,既に確固たる地位を占めたもので,低毒性であるという理由で環境衛生の用途にも採用されるのが通常の経過であるが,また一方,殺虫スペクトルが狭く,あるいは植物体内で速かに分解し無効化されるため農薬としては有望でないが,ハエ,カ駆除の目的なら十分役立つとして活用されるものもある。
また食毒作用を主目的とする毒餌(ベイト)としての用い方に適する薬剤,落下効果を主目的とする室内煙霧に適するもの,あるいはゴキブリやハエに対する残留効果を狙うなど,農薬とはやや異なる分野で,それぞれ独自の殺虫剤が開発される可能性がある。
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