Japanese
English
特集 肺機能検査の新しいガイドライン—手技と装置(1)
CO肺拡散能力
Pulmonary diffusing capacity for CO
山澤 文裕
1
,
川城 丈夫
1
Fumihiro Yamasawa
1
,
Takeo Kawashiro
1
1慶応義塾大学医学部内科教室呼吸循環内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.19-26
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204800
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はじめに
CO肺拡散能力DLcoの測定は1915年M.Kroghが一回呼吸法を用いることにより始まった1)。当時,Bohr,HaldaneらがO2は肺胞より肺毛細管内に分泌される(能動輸送)と主張していたが2),この説に疑問を持ったM.Kroghが肺胞より肺毛細管へのガスの移動は拡散によることを証明したものである3)。その後,およそ40年にわたりDLcoは研究および臨床の場において活発には検討がなされなかった。1950年代にFilleyら,Fors—terら,Kruhofferらがそれぞれ生理学的死腔法を用いた恒常状態法4),Heを吸入気に混合した一回呼吸法5),再呼吸法6)によるCO肺拡散能力の測定法を開発し,CO肺拡散能力の新たな知見が得られるようになった。また,Roughton,ForsterによるヘモグロビンとO2,COの競合的結合に関する研究7)以来,CO肺拡散能力はCOの肺胞より肺毛細管への移動のみでなく肺毛細管内におけるヘモグロビンとの結合をも含めて検討されるようになった。
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