Japanese
English
特集 拡散
組織における拡散
Diffusion in tissue
川城 丈夫
1
Takeo Kawashiro
1
1慶応義塾大学医学部内科
1Dept. of Med., Keio Univ.
pp.659-669
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203222
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
組織における拡散は組織におけるガスtransportのメカニズムの中で重要に役割を演じている。O2,CO2のみならず種々なるガスの組織における拡散性を定量的に表現する必要性は幾多の著者によって語られているが,実際の組織で,しかも代謝をあるいは血流を有している組織で,実測された値を報告しているものは現時点まででは著者の知る限りにおいては僅少といわざるをえない。
何が現実的に測定を困難にしているかを考える時,最も大きい問題は組織の不均一性であろうと思われる。この点に関する現在の研究の流れの1つはできうる限り実際に近い数学的モデルを構築し,その方程式の解を高度な数学技術を用いた近似法によってhandleしうる範囲のものとして求めようとするものと,他のもう1つはとにかく実測しその値をきわめて単純化したモデル(非現実的なモデル)にあてはめてdiffusivityに関する指標を求めようとするものがあるように見受けられる。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.