Japanese
English
特集 肺血管壁透過性をめぐって
実験的肺空気塞栓におけるトロンボキサンA2の役割
Role of thromboxane A2 in pulmonary air embolism in conscious sheep
福島 雅夫
1
,
久保 恵嗣
1
,
小林 俊夫
1
,
草間 昌三
1
Masao Fukushima
1
,
Keishi Kubo
1
,
Toshio Kobayashi
1
,
Shozo Kusama
1
1信州大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Shinshu University, School of Medicine
pp.633-637
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204669
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各種の化学的あるいは物理的刺激により細胞膜の燐脂質から遊離されるアラキドン酸は代謝され,プロスタグランディンやロイコトリエンとなるが,これらはその多彩な生理活性により,種々の病態の発生または進展に関与することが知られ,特に肺における役割が注目されている1)。ことに肺塞栓時やエンドトキシンショック時に肺から放出されるトロンボキサン(TX) A2やプロスタサイクリン(PGI2)の役割に関しては,種々のシクロオキシゲナーゼ阻害剤,TXA2合成酵素阻害剤を用いての実験的検討が加えられている2)。著者らは慢性肺リンパ瘻を作製した覚醒立位緬羊を用いて肺動脈幹に持続的に空気を微量注入することにより,肺空気塞栓による肺傷害を作製し,血漿および肺リンパ液中の内因性TXA2濃度を,その安定代謝産物であるTXB2としてradioim—munoassay法により測定し,同時に肺血行動態・肺リンパ動態も検討した。さらに選択的TX合成酵素阻害剤であるOKY−046(キッセイ薬品)3)の前処置後に空気注入による肺傷害を作製し,TXA2の役割につき検討した。
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