Japanese
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特集 循環をめぐる論争
運動療法は冠副血行路発達を促進するか
Can exercise develop coronary collaterals?
三浦 傅
1
Mamoru Miura
1
1秋田大学医学部中央検査部
1Dept. of Clinical Laboratory, Akita University, School of Medicine
pp.257-261
発行日 1985年3月15日
Published Date 1985/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204610
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周知の如く,冠状動脈造影法の発展,普及とともに,冠状動脈間における副血行路の存在を観察しうるようになった。40数年前,いわゆるSchlesinger法により剖検心に死後冠状動脈造影法を施行し,臨床像との対比において冠状動脈間吻合の副血行路としての重要性が指摘1,2)されて以来,基礎および臨床の両面から検討されてきた結果,その存在は冠状循環障害時の虚血性侵襲に対応して生体に自然発生的に生じる防禦,代償機構として重要視3,4)されている。
この冠副血行路の発達に影響を与える因子5)としては,第1に絶対的ないし相対的な心筋虚血の発生があげられる。これが潜在する冠状動脈間吻合を開大させ,副血行路として発達させるが,同時に供血側動脈,受血側動脈および吻合前後の小動脈の健全性や吻合間血流を維持しうる灌流圧が必要である。心筋収縮性(全体的あるいは局所的)の態度もその発達に影響をおよぼす。さらに,このような条件下にさらされる時間の長さや虚血性侵襲の程度の経時的変動が重要であり,以上が複雑にからみあって影響を与える。
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