Japanese
English
解説
冠副血行路
Coronary collaterals
三浦 傅
1
Mamoru Miura
1
1秋田大学医学部第二内科
12nd Department of Internal Medicine, Akita University School of Medicine
pp.147-156
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205419
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はじめに
周知のごとく,冠状動脈造影法の発展,普及とともに,冠状動脈間における副血行路の存在を観察しうるようになった。半世紀近く前,剖検心に死後冠状動脈造影を施行し,臨床像との対比において冠状動脈間吻合の副血行路が心筋虚血に対し防御的役割を担う重要性が指摘1,2)されて以来,基礎および臨床の両面から検討されてきた。その結果,冠副血行路の存在は冠状循環障害時の虚血性侵襲に対応して生体に自然発生的に生じる防御・代償機構として最も重要視3,4)されている。
本稿では,この冠副血行路について,その形態と機能について冠状動脈間吻合を中心に現況を概説し,さらに運動負荷の冠副血行路に対する功罪について少しく論じたい。
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