Japanese
English
綜説
冠副血行
Coronary Collaterals
金沢 知博
1
Tomohiro Kanazawa
1
1秋田大学医学部第二内科学教室
1The 2nd Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Akita University
pp.469-480
発行日 1972年6月15日
Published Date 1972/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202386
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冠副血行の問題は一世紀以上もの昔から解剖学的,病理学的,実験的に論じられてきたにもかかわらず,その重要性が実地臨床レベルで認識されるようになったのは最近のことに属する。それには近年の虚血性心疾患の増加もさることながら,生前に冠動脈病変や副血行路の観察を可能とした冠動脈造影法の進歩と虚血心筋への副行血流供給改善を目的とする外科的療法の種々の試みによるところが大きいが,一方では冠狭窄・閉塞(それはしばしば多発性である)を基盤とする虚血心筋のnon—homogeneousな血流分布による複雑な病態生理の解明には冠副行循環の理解なくして不可能であることにもよる。
以下冠副血行に関する現在までの知見について述べるが,著者らはすでにいくつかの解説を試みており1)〜4),内容的にそれらと若干重複する点のあることをあらかじめお断りしておきたい。
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