Japanese
English
綜説
体プレチスモグラフィー—その問題点
Body plethysmography:Its controversial points
大谷 信夫
1
Nobuo Ohya
1
1金沢医科大学呼吸器内科
1Division of Respiratory Disease, Department of Internal Medicine, Kanazawa Medical University
pp.124-133
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204591
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1956年,DuBoisら1,2)が体プレチスモグラフを用いてヒトの肺気量と気道抵抗を測定して以来,本邦でも最近この方法が一般に普及する傾向にある。原法の発表から今日までの間,必ずしも普及が進展しなかったのはそれ相応の理由があったように思われる。そのうち最も障壁となったのは,DuBoisらの巧妙な理論と手技法によって完成されたかにみえた体プレチスモグラフ法の臨床応用に,その後様々な問題点が提起されたことによるようである。機種の扱いや検査法に加えて,特に検査の最終段階でのデータ処理でリサージュの安定性やその波形の取扱いと解釈の難解さが,一般には受け入れ難い印象をもたれたのは否めない事実であろう。これらの問題点のいくつかは,既に解決されてきており,また近年のコンピューター処理を備えた機種の開発によりデータ処理が簡明化されるに及んで,より容易な検査法となりつつあるのが現況であろう。しかしながら,諸問題が完全に解決されたわけではないので,機種の条件や,測定条件,データ処理段階での種々の事象の関与を考慮することは,依然として臨床家にとっては必要である。一方では,本法の測定原理に対する検討が進められて新たな問題提起がある反面,本法により肺気量,気道抵抗のみでなく,それに加えて肺—気道の病的状態を捉えようとする試みも示唆されている。ここでは,本法のもつ問題点を概観し,2,3の問題点と将来への発展の方向を示唆する事柄につき述べることとしたい。
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