増刊号 臨床化学実践マニュアル
V.分析基礎技術
10.クロマトグラフィー
クロマトグラフィー
久保 博昭
1
1北里大学薬学部
pp.322-327
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901559
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はじめに
クロマトグラフィー(chromatography)の名称は,ギリシア語の色を意味するchromatoと記録を意味するgraphosに由来したものであり,初めは可視部に吸収のある着色物質の分離に用いられた方法である,現在では可視部に吸収のない無色の物質の分離にも用いられている分離分析手段である.
クロマトグラフィーの原理は,分離が行われる場で固定相(stationary phase)と呼ばれている物質と,これに接して流れる移動相(mobile phase)と呼ばれている物質との間に試料の混合物を分布させ,この両相への試料物質の親和性による相互作用の差を利用して各成分に分離していく方法である.クロマトグラフィーを行う装置をクロマトグラフ(chromatograph)と呼び,分離した結果を記録したものをクロマトグラム(chromatogram)と呼ぶ.
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