特集 カテコールアミン
ウアバイン催起性不整脈に対するアセブトロール投与時の血中カテコールアミン動態
中井 利昭
1
,
山田 律爾
1
1獨協医科大学臨床病理
pp.1123-1126
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204540
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全身麻酔中に発生する不整脈は,換気不全による炭酸ガスの蓄積による交感神経末端よりの内因性カテコールアミンの遊離が大きな役割を果していると考えられている。このような麻酔時の不整脈に対して,従来β-bloc—kerであるプロプラノロールが広く用いられてきたが,気管支痙攣などの副作用に留意しなければならない。近年開発されたアセブトロールは高度の心選択性を有し,気管支平滑筋収縮作用はプロプラノロールの約1/100といわれている1)ので,より安全な使用が期待される。最近アセブトロールのいくつかの麻酔時の使用経験が報告され,投与時の血圧や脈拍数などの循環動態の変化が明らかにされてきた。しかし投与時の血中カテコールアミン動態については,現在までくわしい成績は報告されていないので,今回検討を行なった。またα-blockerやβ-blockerはα,β両受容体遮断作用を有する以外に副腎髄質への直接作用2,3)も知られているので,in vitro周辺灌流実験を用いてアセブトロールの副腎髄質に対する直接作用についても検討を行なった。
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