Japanese
English
綜説
α1-アンチプロテアーゼ(α1-Pi)と呼吸器疾患
α1-antiprotease (α1-Pi) and respiratory diseases
吉田 哲
1
Akira Yoshida
1
1城西歯科大学内科
1Department of Internal Medicine, Josai Dental University
pp.756-765
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204487
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Laurell & Eriksson(1963)による高度α1-antitryp—sin欠乏症と若年性肺気腫症の合併例の臨床報告と,Grossら(1964)によるpapain (エラスチン溶解能をもつたん白溶解酵素)の動物への経気管的肺内投与により惹起される実験肺気腫モデルの報告は,その後α1—antiproteaseについての生化学・免疫学・疫学さらに遺伝学的観点からの広範な分析を押しすすめ,一方たん白溶解酵素ことにelastaseに関する研究をも大いに発展させる端緒となった。いまや,慢性閉塞性肺疾患,なかでも肺気腫の病因論の1つとして,elastase-antielastase—imbalance theoryが有力な仮説としてもてはやされるに至っている。
本稿では,肺疾患とくに肺気腫の発生過程でこのα1—antiproteaseがいかなる役割を果すかについてを最終の主題にして概説してみたい。
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