今月の主題 プロテアーゼ,プロテアーゼインヒビター
話題
日本人のα1-アンチトリプシン欠損症
笠木 聡
1
,
瀬山 邦明
1
,
福地 義之助
1
Satoshi KASAGI
1
,
Kuniaki SEYAMA
1
,
Yoshinosuke FUKUCHI
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
キーワード:
α1-アンチトリプシン欠損症
,
COPD
,
Siiyama
Keyword:
α1-アンチトリプシン欠損症
,
COPD
,
Siiyama
pp.894-898
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101110
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1.はじめに
α1 -アンチトリプシン(α1 -AT)欠損症は,若年で慢性閉塞性肺疾患(COPD)を生じる常染色体劣性の遺伝性疾患である.欧米白人では約3,000~6,000人に1人という高い頻度で認められているが,わが国ではわずか19家系が報告されているにすぎない.α1 -AT欠損症によるCOPDは欧米でさえ全COPD患者の約1~2%にすぎないが,その肺胞破壊を生じる分子生物学的,生化学的メカニズムを理解することは,α1 -AT濃度正常の一般高齢者におけるCOPD発症機序を考察するうえで重要である.本稿では,わが国における報告例の分析について述べる.
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