巻頭言
女医と「呼吸と循環」
横山 正義
1
1東京女子医科大学第1外科
pp.755
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204486
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男と女の比率は同じでも,医師の9割以上は男で,女医は例外的にあつかわれてきた。女医である理由で入局や就職を断わられた人も多かった。しかし性差別や封建的しきたりの強い医学分野に,現在,大きな異変が生じつつある。昭和55年度の日本人医師の8%が女医であるが,医学生をみると15%が女学生である。医学部入学生をみると,年々1%の率で女子学生の率が上昇している。米国では医師の6%が女医にすぎないが,医学生をみると25%が女子となった。
ソ連や中国では医師の7割が女医で,医者は女性の職業という定着観念がある。西側諸国では各国とも女医が年々増加しはじめている。女医増加傾向は日本だけの現象でなく,世界的趨勢と読みとれる。
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