Ex Laboratorio Clinico・37
α1-アンチトリプシン欠損症
大橋 晃
1
,
猪熊 茂子
2
1北海道勤労者医療協会中央病院内科
2東京大学物療内科
pp.65-70
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915355
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はじめに
何気なく見過ごされがちな検査データの一つ一つを注意深く観察していくことによって,思いがけずに珍しい症例,興味ある症例を発見することがある.血清電気泳動像における異常としては,M蛋白血症,二峰性アルブミン血症などが日常よく遭遇するものであるが,α1分画に注意が向けられることは少ない.ここに紹介するα1-アンチトリプシン(α1-AT)欠損症(Pi null)1)はα1分画の著減が契機となって発見されたものであり,電気泳動像の注意深い観察が稀有な症例を見いだした実例である.
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