呼と循ゼミナール
急性呼吸不全の治療(3)—CPAP
天羽 敬祐
1
1東北大学医学部麻酔科
pp.132
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204385
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CPAPはcontinuous positive airway prcssureの略で,気道内を一定の陽圧に維持したままで自然呼吸を行わせる方法である。CPAPには適当な邦訳がないので,そのままシーパップとかシーピーエイピイと呼ばれる。この力法の狙いは,気道内をつねに陽圧に維持することで肺気量をふやし,シャントを解消して肺の血液酸素化能を向上させることにある。これまでこの方法で無気肺や肺水腫などを治療したという多くの報告がある。CPAPの気道内圧曲線は図1のようで,吸気,呼気いずれの場合も気道内が陽圧に維持されている。
CPAPはしばしば酸素療法と併用して用いられる。たとえば40〜50%の吸気酸素濃度(F1O2)でも正常なPaO2レベルを維持できない場合,F1O2をさらに上げるよりもCPAPを併用することでPaO2を上昇させようとするわけである。高いF102を用いてPaO2を正常に維持する"対症療法"よりは,CPAPで肺内の病変を改善する‘原因療法"のほうが確かに合理的なように思われる。
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